私たちは日々誰かと話しています。しかし、会話の中でこんなことを感じることがあるはずです。「あれ、盛り上がらない…何か話さなきゃ」「間が持たない、どうしよう」。ありますよね。人間なので相性の合う、合わないは避けては通れないことでしょう。しかし、仕方ないで済ませられない問題だからこそ、この場面に悩む方が少なくないように感じます。利害関係のない相手であれば、お互いなんとなく距離を取って「仕方ない」で済ますことができます。しかし、相手が上司であったり大事な取引先の方だとしたら、「仕方ない」というわけにはいきません。この問題は本当に身近なのでしょう。本屋さんに行けばビジネス書のコーナーに「会話が盛り上がる話し方」「苦手な相手との接し方」などのタイトルを山のように見かけます。もちろん、このようなスキルを身につけるのは大切ですし、社会人として生活していくのであれば身につけておくに越したことのないスキルでしょう。

でも、取引先だから、逆らえない恋人関係だから、などの力関係は一旦置いておいて、少しこのやりとりを考えてみましょう。今、皆さんが頭に浮かんでいる会話の間がもたなくて困ったやりとりのエピソードを浮かべて頂くといいかもしれません。すると、こんな疑問が浮かびます。「その会話が盛り上がらなかったのは本当にあなたの責任ですか?」と。どうでしょうか?もし、盛り上げよう、間を持たせようとしたのなら、あなたはその会話の当事者として責任を持とうと頑張ったんだと思います。反対に相手はその会話に対して責任を感じていないようです。そう思うと、あなたの頑張りに対して何も応じようとしない相手に苛立ちを感じてきませんか。そうです、会話は二人で作っていくもののはずです。一人でずっと頑張らないといけない関係というのは無理があります、言葉のキャッチボールにならないのです。ただ、それは決して相手が酷い人というわけではありません。先程の相性の問題や、相手が聞く姿勢になるタイミングとこちらの話しかけるタイミングがズレていることもありますから。このことは、またの機会に書かせてもらいたいと思っています。

たまに相手との会話が盛り上がらないことを「私のせいだ」ととても気にする方がいらっしゃいます。話の間が持たない状況をなんとかしようと頑張れる方です。人との関係を真剣に考えることのできる誠実な方なのでしょう。でも、もし「私がもっと話が上手かったら」とか「相手が喜びそうな話題の引き出しを持たなければ」と考えてしまうとしたら、それは辛すぎます。会話はあなた一人の責任ではないのですから。会話の責任は「私と相手で50:50」です。こう考えると間が持たない会話でも落ち着いて過ごせるかもしれませんし、かえって相手との適切な距離を取りやすくなるかもしれませんよ。