はじめに

 小学校中学年となると、身体も随分と大きくなってきた頃でしょう。そして、保護者の目が届かなくなり、気がつけば突拍子もないことをしているのもこの時期です。

友達関係を作れるように

 低学年の時は場が盛り上がっている中で一緒に過ごすことで、なんとなく関係が出来上がっていきます。しかし、中学年頃からは子ども同士の相性の影響がより明確になっていきます。遊ぶ友達も、低学年の時は家が近い子が遊び相手として選ばれやすいですが、高学年になるにつれて、話が合うとか気が合うことが大切な項目となります。中学年では気の合う友達を作るということが重要なテーマとなるのです。

二者関係への没頭

 気の合う友達ができるということは言い方を変えると、他の子とは違う特別な存在を作るということです。言葉は良くないですが、自分にとって誰が大事な人なのかを重み付けすることが求められます。この時期に見られる現象はある特定の子との非常に密着した関係が出来上がることです。常に二人で行動したがり、二人の遊びに没頭することになります。そこに他のクラスメートが参加することを非常に嫌がり、時にその子のことは「邪魔をするとても悪い子」と認識されます。特に女子でこの傾向は強く見られます。小学校のスクールカウンセラーさんなどは、この三角関係に毎年のように手を焼く人も少なくありません。男子も同じように気の合う相手とともに過ごすことが多くなりますが、男子の方が極端にこの様子が目立つことはないようです。推測ですが遊び方の影響がだいぶ大きいのかとも思います。男子の遊びは大人数の外遊びであったり、TVゲームなどの直接二人の関係性を見つめることを避けるものが多いことは無視できない要因ではないでしょうか。

ギャング・エイジ

 二人の関係に没頭する一方で3年生から4年生にかけては集団遊びも徐々に増えます。密な関係性と社会的な集団とを切り替える力が身に付き始めるのがこの頃です。この時期の子どもの集団はとても閉鎖的でかつ大人に対しては反抗的になります。その様子がさながらギャングの様相なので、「ギャングエイジ」という名前でこの年代を指すことがあります。保護者としては困ってしまうことも多いですが、これは子どもが自立の道を歩み始めたことを意味しますし、親の力なんか借りなくても自分で出来るという自信が育ってきた証拠でもあります。大変な思いをされるご家庭もあるかと思いますが、成長に必要な過程であると思って頂きたいです。

学習について

 中学年頃から学力の差が目に見えて明らかになっていきます。また、今までは家庭で学習の補填を行なっていたかもしれませんが、学習量も授業速度も増していきフォローが難しくなります。算数では九九を前提として授業が進みますし、国語などは求められる内容の抽象度が上がっていきます。学習に乗れる段階まで育っていることを当然としてカリキュラムが構成されているわけです。何より、子ども自身が自分が勉強についていけていないことに気付き始めて、意欲を維持することが難しくなります。もし、この時期に学習の躓きを感じるようであれば、家庭でなんとかしようとはせずに外部機関の手を借りることを考えてください。学習塾などの利用で伸びる子もいますが、もし、元々の成長がゆっくりさんの場合には単に学習時間の確保ではなく、学習の行い方や環境調整が必要な場合もあります。その際は塾ではなく自治体の教育相談室などを尋ねてみると良いでしょう。

心理学者たちの視点から

 いつものうように心理学者のうんちくをご紹介したかったのですが、この年齢に限定しての理論というものはあまりありません。なぜかというと、この時期は思春期の前に入る段階であり、フロイトのいう「潜伏期」にあたります。心身の大きな変化が一度収まり安定して変わらない日々を送る年齢に当たるのでしょう。そのためこの「潜伏期」のことを休止期と呼ぶこともあるようです。

 しかし、対人関係では上述のように大きな変化が見られることは間違いありません。今後、発達心理学の立場からこの年代の成長をより正確に描写できるようにする必要がありそうですね。私見ですが、この年齢では止まって考える力を求められるのではと思います。友達との付き合い方や、学習について周囲と自分を比較して客観的に状況を把握することなどです。変わらない日々を送ることを求められるこの時期に、客観的に見て考える姿勢を育てていくことが必要なのだと思います。

中学年で気を付けること

 早い子ですと中学年で既に思春期の入り口に差し掛かっていますし、第二次性徴が始まる子もいます。中学年はまさに嵐の前の静けさというか、子ども時代に終わりを告げる年齢です。この時期で多く起こるトラブルはやはり友人トラブルと学習の課題でしょう。どちらも誤魔化して済む年齢ではなくなってきていますので、何が起こっているのか、相手はどう思うか、このままで大丈夫かなどを「止まって考える」お手伝いをすることが大人には求められます。それと、もう一つですが、止まれないと言うことは「苦痛を抱えられない」と言うことでもあります。安心して止まれるように周囲がお手伝いをしないと、不登校や心理的な症状などに繋がることもあります。平穏で変わりない日々の中で起きる些細なことをどうか丁寧に話題にしてみてください。

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