はじめに

 2月上旬頃より話題に上がるようになったコロナウィルスの影響は日に日に増し、今や全世界的な問題となっています。このことに伴い外出を自粛し、通勤途中での感染リスクを下げることが推奨されるようになりました。同時に働き方も従来の会社に集まって業務を行う形態から、在宅での勤務を可能とするテレワークの可能性に注目が集まるようになっています。

カウンセリングへの影響

 カウンセリング業界でも近年、オンラインカウンセリングや電話相談、スカイプカウンセリングなどの実施がジワリと増えているように思います。これはカウンセラー側にも、職場で相談者の方とお会いする従来の形式と異なるサービスの提供の仕方が広がっていることを意味しており、興味深い変化として動向を気にしています。

 今回は、カウセリングの内容とは直接関係ないのですが、このテレワークとはどんなものかを考えてみます。

テレワークの定義

 テレワークとは現代の発達した情報通信網を活用して、会社外の場所で業務を行うことを指します。一般社団法人「日本テレワーク協会」のHPを拝見すると、テレワークには

    • 自宅利用型テレワーク
    • モバイルワーク
    • 施設利用型テレワーク

とあるそうです。モバイルワークとは移動中に行うパソコン業務などが含まれるようなので、営業の方が日常的にされているテレワークの形態ですね。近年、急速に発達しているのは「施設利用型テレワーク」かと思います。これは、サテライトオフィスなどを用いて、本来勤務するオフィスに出向かなくとも、業務が出来るようにするものですが、一昔前では、そんなオフィスを持てるのは大きな会社のみでした。しかし、近年このサテライトオフィスを安価で提供する事業が台頭し、大きく注目が集まっているようです。

レンタルオフィス

 快適なオフィスの形を整えて間借りの賃貸契約を行う民間の会社が目に付くようになりました。一部屋単位で賃貸契約を結ぶことができ、電話やプリンターなどの業務に必要な機材も事前に揃えてくれます。また、会議室などの利用も可能であり、取引先との打ち合わせにも対応できるなど、業務に至れり尽くせりのサービスがセットです。場所によっては受付の方がいたり、秘書の役割を担ってくれる方がいるレンタルオフィスもあります。先程のサテライトオフィスの話に戻ると、このようなレンタルオフィスを法人で借り上げて利用することが可能になり運営経費を安く済ませられます。さらに、運営会社は様々な駅に数十か所~百箇所ほどのオフィスを持っているため、この全てのオフィスを利用することが可能です。外回りをしていて、その都度近いオフィスに向かうことが出来るのは非常に大きなメリットです。レンタルオフィスには、いくつかの種類があるので紹介します。

シェアオフィス

 これが一番イメージするオフィスに近いかもしれません。上記のレンタルオフィスの項目は主にこの形態をイメージしています。各部屋がそれぞれ独立しているため、安心して電話などもでき、情報漏洩のリスクも少なくなりますし、業務に必要な資料なども十分に置いておくことができます。起業したばかりの方などにも利用しやすいため、ベンチャー起業の立ち上げ時の住所となることもあります。

コワーキングスペース

 こちらも業務スペースをシェアするという点では同じなのですが、大きく異なる点が、オープン席を基本としている点です。イメージは喫茶店のように机と椅子がたくさんあるスペースで、各々が仕事をしているような様子でしょうか。様々な業種の方が出会うことで横の関係が広がっていき、新しいビジネスのきっかけを生まれやすくするという思惑が背景にあるようです。しかし、シェアオフィスと異なり、様々な情報が筒抜けになってしまうリスクは格段に上がります。電話スペースなどを別個に設けているところもありますが、業種によっては使いづらいものだと感じることでしょう。実際にはシェアオフィスとコワーキングスペースがセットになったオフィスもありますので、うまく使えばより柔軟に業務に活かせるのかもしれません。

バーチャルオフィス

 ここまでは事務作業をするスペースを借りるサービスが中心でしたが、スペースを提供するのではなく、登記住所の設定などの目的のために利用されるのがバーチャルオフィスです。その他にも郵便物の転送や、電話などの取次ぎを行なってくれたりもします。起業したばかりで資金が乏しい時に節約のために利用されることも多いようです。

ワークスペース付きマンション

 最近ではマンションにワークスペースがあり、いつでも自宅に戻れる環境で仕事ができることを売りにしている物件もあるようです。今回のコロナウィルスの影響を受けて今後増えていく住宅の形になるかもしれませんね。

労働者のメンタルヘルス向上に向けての活用

 通勤の負担が減ることや、一人で過ごす時間を確保できることで、業務に集中しやすくなったり、必要のない些事に手を煩わせられることが少なくなることは大きなメリットでしょう。しかし、一方で、このような働き方ならではの負担も当然あります。以前、「居場所としての職場」というタイトルでまとめたことがありますので、ご興味があればご覧ください。

 さて、心理職の立場から注目したいこととして、会社が導入したテレワーク設備や体制は、鬱などで休職中の方の業務復帰や面接にも活用できることです。辛い心境の時には外出することも大きな負担になるものです。テレワークがより日常的になり積極的な導入が進めば、元気になるまではテレワークという形で業務に参加することが可能となり、従業員の孤立感や無力感の減少にもつながるように思われます。同時に、オンラインでカウンセリングを受けることも可能になってくるはずです。産業医やカウンセラーを利用することのハードルを下げることができるのではないでしょうか。あるタイミングで必ず出社練習が必要にはなりますが、テレワークの形であれ事前に業務に参加できることは大きな負担減につながるように思うのです。いかがでしょうか。

参考

 一般社団法人「日本テレワーク協会」https://japan-telework.or.jp