はじめに
カウンセリングという言葉をよく耳にするようになりましたが、「では、カウンセリングって何をするの？」と聞かれると、答えにくいと感じられる方は多いかもしれません。最近では美容室や歯医者さんでもカウンセリングという言葉が使われています。この場合は髪の毛や頭皮の状態を診ることや、歯科治療の前に正しい情報をお伝えし、不安を取り除くという意味で使われていることが多いようです。症状の確認や対応策の理解という意味で用いられているのでしょう。
心を扱うカウンセリングにも同じような目的が含まれますが、もう少し踏み込んだ目的もあります。あなたの置かれた状況を知り症状を理解したのちに、なぜそうなったのか、あるいはなぜ心はそうなる必要があったのかを探る目的です。それは自分の心に目を向けることで、今まで見ることが出来なかった心の奥底の気持ちに気付き、漠然とした不安や何故か上手くいかないという感覚の正体を知ること、そして、自分の心とどのように付き合っていくかを考えることへと繋がっていきます。
しかし、一人で自分の心の声を聞くことはとても難しいことです。なぜなら、心は時に悪い部分を隠そうと我々に見つからないように隠れてしまうからです。そんな時、一緒に心を探すお手伝いをするのがカウンセラーです。カウンセリングは決して癒される時間だけではなく、時には心にメスを入れる苦しい時間となることもあります。しかし自分らしく生きるための有意義な時間となることは間違いありません。どうも生きづらさを感じる、自分らしさが分からない、心身の疲労があるが自分の心や気持ちから来るものかもしれないと感じられている方には、カウンセリングで自分を知る時間を持つことも時に必要と思われます。
