心の症状 過剰適応の悩みと苦しみについて はじめに いわゆる造語なのでしょうが、割と耳にすることが多い言葉のようにも思います。言葉そのものが状態を的確に示しているので、起こっていることがスッと理解されるのでしょう。 ところで、「過剰適応」という言葉はいつ頃から出てきたのでしょうか。調べてみると1982年に福島章先生が「過剰適応症候群」という表現で社会人の就...
美術/芸術 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 はじめに 2020年6月より国立西洋美術館にて開催されています。当初は3月に開催される予定でしたが、コロナウィルス感染症の流行に伴い会期が変更となりました。美術館内は感染症予防のために入場制限などの対策を行なっておりますが、それでも、チケットが売り切れる時間もあるほどには来館される方が多かったようです。 ロンドン・ナ...
心理療法 pickup 虚しさへのカウンセリング はじめに 虚しいという言葉を広辞苑で調べると、「内容がなく空虚であるさま」「儚い、かりそめ」などと説明がされています。特に考えさせられる指摘はこの言葉に「死んでいる」という意味が含まれていることです。本来、この虚しいが示しているものは非常に破滅的なものであることが分かります。 一方、我々は虚しいという言葉を割と身近...
心の症状 愛着障害の背景と影響について 愛着とは 愛着という言葉は少しずつ知られた言葉となってきました。特に子どものメンタルヘルスの分野で使われることが多いものです。愛着は英語のattachmentを訳したもので、適度に人を求める気持ち、その気持ちを土台にして他者と関係を維持する力を指します。 愛着障害とは 愛着障害とは、人を求める気持ちを適切に発信でき...
心理士 カウンセラーの事情⑥・読書との付き合い方 はじめに どんな職種でも仕事を覚えるまでにはそれなりの勉強が必要ですし、その中で専門書を手に取って勉強をしなければならない時もあるでしょう。特に医療系の資格職ではどのような書物と出会ったかが、その後の仕事に大きく影響を与えます。これはカウンセラーも例外ではありません。 カウンセラーの立場による選択 多くのカウンセラ...
心の症状 喪失の反応と留意点 はじめに 私達は人生のどこかで必ず大切な対象を失う経験をします。それは親やパートナーであったり、あるいは地位や信念かもしれません。自分の大切なものを失う経験は非常に辛いものであり、ときには自分を保てなくなるほどに打ちひしがれる体験となることもあります。このような喪失の体験をどのように乗り越えていくのかが今回のテーマと...
人間関係 アサーションを用いた関係づくり はじめに 自分の気持ちや考えをどのように伝えるかは我々人間にとっては生涯の悩みと言っても過言ではありません。小学校の授業から自分の意見を伝えるための指導は既に始まっており、社会人になっても話し方の自己啓発書が書店にズラッと並んでいます。そのためか年齢問わずに「伝えること」の悩みでカウンセリングに訪れる方がいらっしゃい...
心理療法 ストレス・コーピング はじめに 現代社会はストレス社会と言われています。事情は違えど多くの方がストレスを抱えており、その付き合い方に頭を悩ましている方がいることは多くのメディアで指摘されています。 統計 ストレスを抱えている人の割合 厚生労働省は5年に1度「労働者健康状況調査」という名目で労働者の心身の実情を調査しています。この調査によ...